SNSにハマる理由は・・・?!

SNSにハマる理由が分からない

最近はSNSに夢中になる人が増えてきていますが、スマホユーザーではない経営者の方の中には「SNSに夢中になる理由が分からない」という疑問を持たれている方も少なくありません。

20年前とは違う価値観

50代以上の経営者の方からは、
「昔は高級時計や高級外車を手に入れる夢や目標を持った人が多かったのに、最近は欲の無い若者が増えているね。」
と言われます。
しかし勿論、今の若い世代の欲が無くなった訳ではありません。
単純に価値観の基準が変化しただけなのです。

マズローの欲求5段階

アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、人間の欲求を5段階に分けて階層化しました。
マズローの欲求階段によると、下記の様に分類されます。

1番目:自己実現の欲求(Self-actualization)

『プロ野球選手になる』
『科学者になる』
『歌手になる』
等、創造的な活動をしたいとか目標を達成したいという欲求です。
一般的には『夢』や『願望』という捉え方をします。
自己実現の中にも段階があり、プロ野球選手になって夢が実現すると、次の夢や目標が生まれてきます。例えば、最優秀選手に選ばれたいとかメジャーリーガーになりたいとかいった欲求です。

2番目:承認の欲求や尊重の欲求(Esteem)

『人から褒められる』
『世間から注目される』
『他人から尊敬される』
等、自分のいる集団から尊敬されたり高く評価されたいという欲求です。
この承認欲求が20年前と大きく変わったのです。
以前は、これが『ロレックス』や『ベンツ』や『ゴールドカード』などを手に入れる事だったのですが、最近は『SNSの高評価の数』や『SNSのフォロワー数』や『動画投稿サイトの視聴回数』等になってきたのです。

3番目:社会的欲求や愛の欲求(Social needs・Love and belonging)

『社会に受け入れられている』
『何かに所属している』
といった、自分が孤独になりたくないという欲求です。
これもSNSにハマる理由の1つに挙げられます。
SNSは仲間や知人と情報や感情を共有したり共感したり出来るツールでもあるのです。

4番目:安全の欲求(Safety needs)

『健康でいたい』
『安全でいたい』
といった、自分が安心して暮したいという欲求です。

5番目:生理的な欲求(Physiological needs)

『眠りたい』
『食事をとりたい』
といった、人が生きる為に必要な欲求です。

承認欲求の変化

SNSなら誰にでも比較しやすい

20年前は他者からの自己評価を上げる為には、
『高額な商品を所有する』
のが1番分かり易い方法でした。

しかし
『ベンツ』と『BMW』と『ポルシェ』はどれが上なのか?
所有しているブランドバッグや高級時計は本物なのか?
宝石や骨董品は価値が分かりにくい・・・?!
等の、疑問が1度でも湧いてしまうと何が正解か分らなくなってしまいます。

つまり、承認欲求の基準がSNSに移った原因の1つとして、小学生からでも社会人からでも『誰から見ても価値判断の基準が同じ』ということが挙げられます。

SNSなら誰にでもチャンスがある

もし価値の基準を『高級外車』にしてしまうと、中学生や低所得者は富裕層に勝つことが出来なくなってしまいます。
承認欲求とは、文字通り『他人に認められたい』という欲求ですから、『高級外車』が価値基準になってしまうと、一般の人が手に入れる可能性が下がり面白くないのです。

しかし
SNSの高評価数やフォロワー数(登録者数)が価値基準になれば、十分に満たされる可能性が出てきます。
つまり承認欲求の基準が『物(モノ)』から『事(コト)』に移り、若年者や低所得者も同じ土俵に上がれるようになったのです。

下剋上は常に発生する

上記でも述べた通り、急速に価値観が『物(モノ)』から『事(コト)』に移り替わってきているのです。勿論、正確には『物(モノ)』も必要ですが、それを使えなければ全く意味がありません。
要するに『希少な物や高額な物を購入する財力や権力』だけで人の価値を決めるのではなく、『物を購入する力』+『物を使いこなす力』で人の価値が決められるようになってきたのです。
下記のようなケースが分かり易い例です。

『最新型のノートパソコンを買っても、ワードやネットの検索位しか使えない。』
『スマートウォッチを持っていても、通知機能ぐらいしか使っていない。』
『高性能なスマホは購入できるが、電話機能とメールやLINEぐらいしか使わない。』
『ドローンを購入する資金はあるが、運転できない。』
『高級なクレジットカードは持っているが、コード決済はした事が無い。』

上記に該当する人は経営者でも高学歴者や資格所有者でも、社員や後輩や部下から見下されてしまいます。
※コード決済はQRコードやバーコードを使って決済をする仕組みです。

SNSによる承認欲求のまとめ

文頭で記述した様に
「最近の若い人たちは欲が無くなった・・・」
のではなく、自分が気付かないうちに価値基準を変化させられていただけの事です。

この先も、どんどん価値の基準は『物+事』の要素が強くなっていきます。
つまり、この先も様々なアプリやSNS等の使い方や使い方やルールを覚えないと承認欲求が得られない世の中になっていきます。

※勿論、自動車にも運転技術が必要です。しかし運転方法は20年経っても殆ど変化していないので高齢者にも使いこなせますが、アプリの使い方などは数か月単位で変化するので覚え続ける必要があります。