自社のブランディング

ブランディングの印象

御依頼者様に、『ブランディング』の印象を訊ねると、
「自社ブランドを開発することだよね?」
「企業が顧客や取引先に、自社を認知してもらう手段です。」
「他社との差別化をすることかな。」
等の御回答を頂きます。

ブランディングとは社名や商品など『自社のブランド』の知名度や認知度を上げる為や差別化をする為に、状況に応じた様々な手段やマーケティング活動や市場分析や顧客対策などを講じて『ブランドの価値を向上させる対策や戦略』ことです。

自社の何をいつ誰に何処でどうやってブランディングするか?
1:いつ(満腹の人にカレーライスを食べてもらうのは難しい)
2:何処で(旅行者に大型家具を売るのは難しい)
3:誰に(菜食主義者は刺身や牛丼を食べない)
4:何を(八百屋で高額な宝石を販売しても買ってもらえない)
5:どのように(祭りの屋台で高級時計を売るのは難しい)
等、ブランディングしていくには顧客の様々な状況を考えながら、どうすれば効果的に自社の商品価値を上げられるかを、社内会議等で意見を出し合いながら具体的に決めていきます。

なぜブランディングするの?

ブランディングをする理由としては、
・他社と差別化して自社の売り上げを増やす。
・付加価値を上げて利益(単価や利益率)を増やす。
・知名度や認知度を上げて顧客数を増やす。
等が挙げられます。

他にもブランディングすることで、自社の知名度や商品の認知度が上がると、
・優秀な人材を確保しやすくなる。
・金融機関などでの借り入れや投資家にもアピールできる。
・取引先や協力会社に営業がしやすくなる。
・社内の意識改革(ヤル気や意欲)に繋がる。
・メディアに取り上げてもらえ易くなる。
等の、効果が発揮できる可能性が高まります。

具体的な対策としては下記のようなものが挙げられます。
・自社のアイデアを形にする。(特許や実用新案)
・ターゲットに向けたキャッチフレーズやキーワードを考える。
・商品のキャラクターやネーミングを作る。(商標)
・商品のデザインやロゴを作る。(意匠)
・第三者機関の『〇〇賞』や『認定』を取る。
つまりブランディングする事で『一目で自社の商品』だと認識できるようにしたり『第三者の御墨付』を受けることが出来る様になり、顧客の信頼感や安心感が高まります。

成功させる秘訣は?

御依頼者様からブランディングに対して頂く否定的な意見の多くに下記のようなものがあります。
「ブランディングしなくても今のところ困っていない。」
「何をどうブランディングしていいのか分からない。」
「自社には他社に比べて優れている点が見つからない。」
「大手企業や有名企業がやること」

また、コンサルティング会社に相談したくない理由としては下記のような意見をお聞きします。
「20~30代の担当者に上から目線で意見されるが、具体的な提案が無い。」
「現場経験や営業経験が無いので、実際の営業活動では手本を示してくれない。」
「大手企業の成功例を挙げられるが、規模が違い過ぎて共感できない。」
「同じマニュアルで提案されても、同業他社に情報が洩れる。」

実際にブランディングを外部に委託しても、中小企業が成功する確率はそれほど高くありません。
経営者の方からよく聞くお言葉です。
「コンサルティング会社にブランディングを頼んだら、膨大な資料やマニュアルを作って渡され、その通りに実行したが全く思ったような結果にならなかった。」

もしブランディングを成功させる絶対の自信があるのなら、着手金0円の成功報酬制でも契約できるはずですが、そんなことをするコンサルティング会社は聞いたことがありません。

それではブランディングしない方が良いのかというと、やはりブランディングはした方が良いと思います。
但、ブランディングの成功率を上げるには経営者が自ら主導して行動を開始する事です。自社の社員に任せたり外部に委託していては、成功率が上がりません。

その理由は簡単です。
自社が儲かって1番嬉しいのが経営者で、社員や外部の協力会社は2番目以降だからです。
社員は辞めることが出来ますし、外部の協力企業は手を引くことが出来ます。
つまりブランディングを成功させるうえで1番重要なことは、経営者の『強い思いと自らの行動力』だと思います。

簡単なところから始めてみよう

ブランディングするには、
『SWOT分析』や
『4P』や『3C』
『PDCA』に
当てはめながら、進めていくという方もいます。しかしそれは潤沢な資金があり、相当な人材確保が用意できる規模の企業であれば、それでも十分成功する可能性はあります。

しかし、そこまでの時間的な余裕や予算が見込めない企業の場合は、費用対効果が合わず(間に合わず)採算割れしてコースアウトしてしまう可能性があります。
そこで最初は『廻りで成功している同業他社の商品やサービスに自社の特徴を加えて、自社ブランドを作る。』
ところから考えてみて下さい。

その方法をいくつか御紹介させて頂きます。
例えば、人気のタピオカで考えると、

形を変えてみる

例えば、シンデレラのガラスの靴型の容器に、流行のタピオカミルクティーを入れて販売する。
そして『タピオカ・シンデレラ』とネーミングして商標登録をしてしまい、その内容をまとめてメディアにプレスリリースする。

足し算をしてみる

タピオカミルクティーに色々な栄養分を加えて、健康をアピールして販売する。
『健康食品』+『人気のタピオカ』
というイメージです。

色を変えてみる

タピオカミルクティーに着色料を加えて、オリジナルカラーにして販売する。それにインパクトのあるネーミングを付ける。

大きさを変えてみる

バケツサイズの容器にタピオカミルクティーを入れて販売する。SNSで拡散する可能性や1人で飲めるかを挑戦する人が表れるかも知れません。

素材を変えてみる

タピオカミルクティーにタピオカに似たタピオカ以外の物(食べ物)を入れて販売する。
また非常に辛いタピオカをランダムに入れて、ゲーム感覚を味わえるようにしてみる。

つまり、最初は完全な自社のオリジナル商品を考えるところから始めるのではなく、同業他社の既に成功している商品やサービスに自社の特徴を加えてみるのです。

これなら0から開発や開拓するよりも費用や時間を削減できますし、マーケーティングの費用も抑えられます。

そういった『なんちゃってブランド開発』から始めて、情報やアイデアを蓄積しながら、経験や技術を積み重ねて、『完全オリジナルブランドの確立』も目指してみては如何でしょうか?