サンクコスト効果(その2)

経済学的な考え方

会議で議論になる

企業の意思を決める際に、会議で下記のような意見が出て議論になる事があります。
「今この企画を止めたら、既に投資している3,000万円はどうするんだ?」
「この店舗を開業する為には2,000万円も費やしているので今更やめる訳にはいかない。」
「ここまで辿り着くのに3年もかかったので、厳しくてもこの事業を続けるしかない。」

サンクコストは無視する

しかし企業が今後の事業展開や投資先を考える上では、サンクコスト(既に費やした費用)は無視して意思を決めなくてはいけないというのが、経済学ではセオリーとされています。

つまり、無理して諦めずに続けてしまう事が、事業が失敗する原因に繋がる事も多いのです。
誤解しないで頂きたいのはあくまでも、『費やした費用』を無視するのであって、『諦める』という訳ではありません。

中小企業の経営者は・・・

しかし現実的には費やした費用を無視して、企業が意思決定をするのは非常に難しい事です。
特に経営者と株主が同じ場合(未上場の中小企業や個人事業主)は、まず損を取り返そうとして諦めがつきません。
更に、金融機関で借り入れをしている場合には事業計画を変更することになるので信用や信頼が失墜してしまい、新たな融資が受けられない可能性も出てきます。

経営者の立場から・・・

その結果、失敗に向かって更にお金や時間を費やす状況に陥り、どんどん経営が悪化してしまうのです。
そして頑張れば頑張るほど止められなくなってしまうのです。
そうならない為には、下記の3点を実行することです。

第三者の意見を聞く

定例会議で外部からの意見を聞く。
取り返しがつかなくなる前に、各方向からの意見を聞く事で冷静な判断が出来る。

社内で公言する

最初に投資する金額や期間を社内会議で伝えてから新事業を開始する。
社内で公言してしまう事で、成果が出ていないのにズルズルと事業を継続しにくくなる。

撤退の時期を決める

新事業を開始する前に、失敗した場合の対策を決めておく。
要するに、事業を開始する前に撤退の時期を先に決めてしまうという事です。

社員の立場から・・・

成功した場合のことしか考えたくない経営者の方も多いですが、最初に失敗した場合の事を考えておかないと、実際に問題が起きてからでは対策も限られてしまいます。

問題が起きた場合の質問をした際、下記のような答え方をする経営者には注意が必要です。
「失敗したら、失敗した時に考える。」
「問題が起きてもいないのに、先の事を考えても仕方がない。」
「実際に問題が起きてみないと分からない。」
「自分が失敗するとは思っていないので、失敗した時のことは考えたくない。」
「失敗した時の事なんか考えているから失敗するんだ。」

要するに、自分が失敗したくないから失敗した時の事は考えたくないのです。
それでも成功している経営者は多数存在します。
しかし現在、成功している経営者でも最悪の事態を想定していない人は、一度の失敗がキッカケで大転落してしまう可能性が高いので注意が必要です。

サンクコスト効果のまとめ

サンクコスト効果は
『使った時間や費用の、元を取り返したい』
という人間の本能なのでその効果は絶大です。

『サンクコスト効果を上手に利用できる』か
『サンクコスト効果に振り回されてしまう』かが
ビジネスを成功させる重要な要素の1つである事には間違いありません。

ネーミングのアイデア10選

屋号や商品名の重要性

ビジネスを始める上で、屋号や商品名などのネーミングを決めることは非常に重要です。

それだけで売上や知名度に大きな影響を及ぼす場合すらあります。
但し、中小企業やベンチャー企業が大企業の商品名や屋号の真似をして作っても、ユーザーや取引先には伝わりにくいことも多いので注意が必要です。

ネーミングを決める際は、下記のポイントに注意が必要です。

1:ユーザーが商品を想像できる名称

商品名を聞いただけで、食べ物なのか医療器具なのか建築材なのかが判断できる商品名にする。
敢えて『ユーザーの予想外の商品名にする』方法もありますが、それはかなりのリスクを伴うネーミングです。

2:ユーザーの記憶に残る名称

一度聞いただけでユーザーに覚えてもらえるようなネーミングにする。
この際のポイントは『全国民に覚えてもらう必要はない』ということです。
あくまでターゲットにしているユーザー層にのみ覚えてもらえればそれで十分です。

3:オリジナリティのある名称

同業他社の商品と間違われないようなネーミングにする。

屋号や商品名を決めるポイントはターゲット(購買層や視聴者層など)を絞り込んだ名称にするか、未だターゲットではないが今後ターゲットになる層にも伝わるネーミングにするかが判断の分れどころになると思います。

例えば、高級料亭なのに屋号を『たぬきの食事処』にしてしまうと、客層に影響が出てしまうかも知れません。

反対に『料亭 極老舗』にした場合、今度は客の記憶に屋号が残りにくい可能性があります。

最近は似たような屋号や同じような名称が多く使われていますので、商品の名称や屋号を考える際は、オリジナリティを重視して考えてみては如何でしょうか?

商品名や屋号の具体例

1:屋号や商品名に数字を使う

『ドリームファイル2035』
『231匹のほととぎすの夢』

※100年先や100回や100匹など、100は使われやすい数字のひとつです。あえて、99年や101年にしてみるのも、ターゲットに対してのアピールになります。

2:ことわざや古語から引用する

『十人十色』
『十二単(じゅうにひとえ)』

※百人一首や有名な和歌や短歌からの引用するのが人気です。

3:オリジナルの造語を作る

『トレードア(トレード+ドア)』
『ハルカベ(貼る壁)』

※最近のトレンドは『カタカナで4文字』です。気にいったオリジナル商品名や屋号を思いついた場合は他社に使われないように商標登録をするようにしましょう。

4:間違えた文字やパロディで作る(または当て字にする)

『zooooomレンズ』
『桜ん坊将軍』

※話題になれば知名度が上がるかも知れませんし、ユーザーや他社にインパクトが与えられるかも知れません。しかし一歩間違うと小馬鹿にされたり失笑を買ってしまう可能性もあります。

5:大きな名称にする

『〇〇壱番』
『〇〇ワールド』
『金の〇〇』
『〇〇将軍』

※「伊藤塗装」より「日本塗装」の方が大きくて信頼できるように感じます。しかし取引先や顧客に与える印象も考慮することも大切です。

6:地域が分る名称にする

『HAKATA〇〇』
『石川〇〇』
『日光〇〇〇』

※まったく北海道とは関係ない地域の食べ物でも「北海道〇〇」と記載されると美味しそうに感じます。しかし、商品によっては勝手に使用できない名称も多くありますので、地元と関連性のある名称がおススメです。詳細は専門家に相談して下さい。

7:歴史上の人物の名前を使う

『龍馬の〇〇』
『信長の〇〇』
『〇〇弁慶』

※歴史上の人物と関連がある企業や地域が使用した方が顧客にも伝わりやすいです。

8:アルファベットと日本語を合わせる

『折り紙AAA』
『蹴鞠バルーン』
『AU弁当』

※AU=英雄・AI=愛・2=TO・4=FORなどとかけて作成するのも面白いのではないでしょうか?

9:ハテナの要素を加える

『笑顔の缶詰』
『夢の飯壺』
『ビックリどんぶり』

※ユーザーに「?」と思わせることで、注意や興味を引かせるネーミングの付け方です。

10:昔話から引用する

『竜宮の雷せんべい』
『イカロスの手羽先』
『金の斧&銀の斧&俺の斧』

※誰もが知っている「おとぎ話」や「昔話」は、聞き覚えがあるので親近感が湧きやすいです。他にも「かぐや姫」「源氏物語」「ピノキオ」など知名度の高さを利用したネーミングです。

ネーミングのまとめ

上記のパターン等を色々と試してみて『ゴロ合わせが良いもの』や「『ユーザーに覚えて易い』名称にして下さい。
しかし経営者が良いと思ったネーミングでも、意外と消費者の評価が低いケースは多いようです。
出来れば4~5個の候補を立てて、社外でアンケート調査などを行ってみては如何でしょうか?

また、せっかく考えた名称も既に商標登録されている可能性もありますし、今後真似をされてしまう可能性もあります。
良いネーミングが決まったら、世の中に発表する前に『商標の調査』と『商標の登録』を御勧めします。

SNSにハマる理由は・・・?!

SNSにハマる理由が分からない

最近はSNSに夢中になる人が増えてきていますが、スマホユーザーではない経営者の方の中には「SNSに夢中になる理由が分からない」という疑問を持たれている方も少なくありません。

20年前とは違う価値観

50代以上の経営者の方からは、
「昔は高級時計や高級外車を手に入れる夢や目標を持った人が多かったのに、最近は欲の無い若者が増えているね。」
と言われます。
しかし勿論、今の若い世代の欲が無くなった訳ではありません。
単純に価値観の基準が変化しただけなのです。

マズローの欲求5段階

アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、人間の欲求を5段階に分けて階層化しました。
マズローの欲求階段によると、下記の様に分類されます。

1番目:自己実現の欲求(Self-actualization)

『プロ野球選手になる』
『科学者になる』
『歌手になる』
等、創造的な活動をしたいとか目標を達成したいという欲求です。
一般的には『夢』や『願望』という捉え方をします。
自己実現の中にも段階があり、プロ野球選手になって夢が実現すると、次の夢や目標が生まれてきます。例えば、最優秀選手に選ばれたいとかメジャーリーガーになりたいとかいった欲求です。

2番目:承認の欲求や尊重の欲求(Esteem)

『人から褒められる』
『世間から注目される』
『他人から尊敬される』
等、自分のいる集団から尊敬されたり高く評価されたいという欲求です。
この承認欲求が20年前と大きく変わったのです。
以前は、これが『ロレックス』や『ベンツ』や『ゴールドカード』などを手に入れる事だったのですが、最近は『SNSの高評価の数』や『SNSのフォロワー数』や『動画投稿サイトの視聴回数』等になってきたのです。

3番目:社会的欲求や愛の欲求(Social needs・Love and belonging)

『社会に受け入れられている』
『何かに所属している』
といった、自分が孤独になりたくないという欲求です。
これもSNSにハマる理由の1つに挙げられます。
SNSは仲間や知人と情報や感情を共有したり共感したり出来るツールでもあるのです。

4番目:安全の欲求(Safety needs)

『健康でいたい』
『安全でいたい』
といった、自分が安心して暮したいという欲求です。

5番目:生理的な欲求(Physiological needs)

『眠りたい』
『食事をとりたい』
といった、人が生きる為に必要な欲求です。

承認欲求の変化

SNSなら誰にでも比較しやすい

20年前は他者からの自己評価を上げる為には、
『高額な商品を所有する』
のが1番分かり易い方法でした。

しかし
『ベンツ』と『BMW』と『ポルシェ』はどれが上なのか?
所有しているブランドバッグや高級時計は本物なのか?
宝石や骨董品は価値が分かりにくい・・・?!
等の、疑問が1度でも湧いてしまうと何が正解か分らなくなってしまいます。

つまり、承認欲求の基準がSNSに移った原因の1つとして、小学生からでも社会人からでも『誰から見ても価値判断の基準が同じ』ということが挙げられます。

SNSなら誰にでもチャンスがある

もし価値の基準を『高級外車』にしてしまうと、中学生や低所得者は富裕層に勝つことが出来なくなってしまいます。
承認欲求とは、文字通り『他人に認められたい』という欲求ですから、『高級外車』が価値基準になってしまうと、一般の人が手に入れる可能性が下がり面白くないのです。

しかし
SNSの高評価数やフォロワー数(登録者数)が価値基準になれば、十分に満たされる可能性が出てきます。
つまり承認欲求の基準が『物(モノ)』から『事(コト)』に移り、若年者や低所得者も同じ土俵に上がれるようになったのです。

下剋上は常に発生する

上記でも述べた通り、急速に価値観が『物(モノ)』から『事(コト)』に移り替わってきているのです。勿論、正確には『物(モノ)』も必要ですが、それを使えなければ全く意味がありません。
要するに『希少な物や高額な物を購入する財力や権力』だけで人の価値を決めるのではなく、『物を購入する力』+『物を使いこなす力』で人の価値が決められるようになってきたのです。
下記のようなケースが分かり易い例です。

『最新型のノートパソコンを買っても、ワードやネットの検索位しか使えない。』
『スマートウォッチを持っていても、通知機能ぐらいしか使っていない。』
『高性能なスマホは購入できるが、電話機能とメールやLINEぐらいしか使わない。』
『ドローンを購入する資金はあるが、運転できない。』
『高級なクレジットカードは持っているが、コード決済はした事が無い。』

上記に該当する人は経営者でも高学歴者や資格所有者でも、社員や後輩や部下から見下されてしまいます。
※コード決済はQRコードやバーコードを使って決済をする仕組みです。

SNSによる承認欲求のまとめ

文頭で記述した様に
「最近の若い人たちは欲が無くなった・・・」
のではなく、自分が気付かないうちに価値基準を変化させられていただけの事です。

この先も、どんどん価値の基準は『物+事』の要素が強くなっていきます。
つまり、この先も様々なアプリやSNS等の使い方や使い方やルールを覚えないと承認欲求が得られない世の中になっていきます。

※勿論、自動車にも運転技術が必要です。しかし運転方法は20年経っても殆ど変化していないので高齢者にも使いこなせますが、アプリの使い方などは数か月単位で変化するので覚え続ける必要があります。


サンクコスト効果(その1)

サンクコスト効果とは・・・?

サンクコスト効果とは、英語の『Sank(沈む)』+『Cost(費用)』を合わせた心理学用語です。
サンクコスト効果は『埋没効果』や『コンドル効果』とも呼ばれています。
何かの為に『先にお金や時間を使った』のだから、『今やめたら損をしてしまう』と思ってしまうという行動心理です。

どちらにもとれる効果がある

サンクコスト効果は、良いように考えれば『何かを諦めずに努力を続ける効果』とも取れますが、悪く考えれば『止めるにやめられない状況に陥っている』とも取れます。

どんな場合に効果があるの?

サンクコスト効果は『仕事』や『恋愛』や『趣味』にも当てはまります。
サンクコスト効果についての知識があっても、
「損をしたくない」
「努力を無駄にしたくない」
「もったいない」
「損を取り返したい」
「いまさら後戻りできない」
等の際に働く心理なので分かっていても、なかなか自分の意思で抑える事は難しいです。

新商品の開発

企業が費用や時間をかけて商品開発をした場合に、例え自社の努力ではどうにもならないような問題が発生しても、「今更、販売を止める訳にはいかない。」という決定を下してしまう場合等も、サンクコスト効果の影響です。

投資(不動産・株・仮想通貨・FXなど)

上ると思って株を買ったが、予想に反して株価が下がっても『損切り(損してでも売却すること)』することが出来ずに、どんどん株価が下がって『塩浸け状態』になってしまうのもサンクコスト効果です。

権利(国家資格・許認可など)

例えば、国家資格を取ろうと思って受験したが不合格だった場合に、合格するまで受験を続けようとして努力を続けてしまう事があります。一見、良い事のように思ってしまいますが、合格する事に固執し過ぎてしまうと、本来の目的とは違う方向に進んでしまう可能性も出てきてしまいます。
仮に努力が報われ資格を取得出来たとしても、折角何年もかけて取得した資格なので、その資格に固執してしまい他のビジネスチャンスに目を向ける事が出来ないようになってしまいます。(実際、難易度の高い国家資格を取得したが、既に業界は飽和状態で仕事が無いという話を伺います)

新店舗のオープン

例えばレストランをオープンしたが、人材が集まらなかったり予想を遥かに下回る売上だったにも関わらず、止めるに止められない経営者をよく見かけます。
最初に投資した金額や労力が惜しくて、元が取れそうも無くても止められないのです。
更に危険なのは、自分が回りの人に対して「絶対に成功する」とか「成功するまで諦めない」と公言してしまっていると、引くに引けない状況になってしまいます。

合理的な判断を鈍らせる

ギャンブル全般

サンクコスト効果はギャンブルにも当てはまります。
例えば、最初は1万円だけ使ってそれが無くなったら止めようと思っていても、実際に1万円を使ってしまったら失ったお金を取り返そうとして、止められなくなってしまうことがあります。

スマホの課金制のゲーム

スマホの課金制ゲームはサンクコスト効果を使ったサービスが盛り込まれています。
例えば、ゲームを続けるためには定期的にアイテムを手に入れなければいけません。その際にお金が必要になります。(お金を使わないとゲーム続行が不可能か、非常に時間がかかる場合が多い)本来は課金が必要な場面でお金を使いたくなければゲームを止めれば良いのですが、実際は『それまでに費やした時間』を無駄にしたくないので、課金してゲームを続けてしまいます。
その後も既にお金を使ってしまっているので、更に課金してゲームを続けてしまいます。

企業の販売戦略

サンクコスト効果は非常に強い効果をもたらすので、企業の販売や営業の戦略にも数多く取り入れられています。
自社の商品販売やサービスの普及を考える際は、サンクコスト効果を高率的に活用してみて下さい。

自社のブランディング

ブランディングの印象

御依頼者様に、『ブランディング』の印象を訊ねると、
「自社ブランドを開発することだよね?」
「企業が顧客や取引先に、自社を認知してもらう手段です。」
「他社との差別化をすることかな。」
等の御回答を頂きます。

ブランディングとは社名や商品など『自社のブランド』の知名度や認知度を上げる為や差別化をする為に、状況に応じた様々な手段やマーケティング活動や市場分析や顧客対策などを講じて『ブランドの価値を向上させる対策や戦略』ことです。

自社の何をいつ誰に何処でどうやってブランディングするか?
1:いつ(満腹の人にカレーライスを食べてもらうのは難しい)
2:何処で(旅行者に大型家具を売るのは難しい)
3:誰に(菜食主義者は刺身や牛丼を食べない)
4:何を(八百屋で高額な宝石を販売しても買ってもらえない)
5:どのように(祭りの屋台で高級時計を売るのは難しい)
等、ブランディングしていくには顧客の様々な状況を考えながら、どうすれば効果的に自社の商品価値を上げられるかを、社内会議等で意見を出し合いながら具体的に決めていきます。

なぜブランディングするの?

ブランディングをする理由としては、
・他社と差別化して自社の売り上げを増やす。
・付加価値を上げて利益(単価や利益率)を増やす。
・知名度や認知度を上げて顧客数を増やす。
等が挙げられます。

他にもブランディングすることで、自社の知名度や商品の認知度が上がると、
・優秀な人材を確保しやすくなる。
・金融機関などでの借り入れや投資家にもアピールできる。
・取引先や協力会社に営業がしやすくなる。
・社内の意識改革(ヤル気や意欲)に繋がる。
・メディアに取り上げてもらえ易くなる。
等の、効果が発揮できる可能性が高まります。

具体的な対策としては下記のようなものが挙げられます。
・自社のアイデアを形にする。(特許や実用新案)
・ターゲットに向けたキャッチフレーズやキーワードを考える。
・商品のキャラクターやネーミングを作る。(商標)
・商品のデザインやロゴを作る。(意匠)
・第三者機関の『〇〇賞』や『認定』を取る。
つまりブランディングする事で『一目で自社の商品』だと認識できるようにしたり『第三者の御墨付』を受けることが出来る様になり、顧客の信頼感や安心感が高まります。

成功させる秘訣は?

御依頼者様からブランディングに対して頂く否定的な意見の多くに下記のようなものがあります。
「ブランディングしなくても今のところ困っていない。」
「何をどうブランディングしていいのか分からない。」
「自社には他社に比べて優れている点が見つからない。」
「大手企業や有名企業がやること」

また、コンサルティング会社に相談したくない理由としては下記のような意見をお聞きします。
「20~30代の担当者に上から目線で意見されるが、具体的な提案が無い。」
「現場経験や営業経験が無いので、実際の営業活動では手本を示してくれない。」
「大手企業の成功例を挙げられるが、規模が違い過ぎて共感できない。」
「同じマニュアルで提案されても、同業他社に情報が洩れる。」

実際にブランディングを外部に委託しても、中小企業が成功する確率はそれほど高くありません。
経営者の方からよく聞くお言葉です。
「コンサルティング会社にブランディングを頼んだら、膨大な資料やマニュアルを作って渡され、その通りに実行したが全く思ったような結果にならなかった。」

もしブランディングを成功させる絶対の自信があるのなら、着手金0円の成功報酬制でも契約できるはずですが、そんなことをするコンサルティング会社は聞いたことがありません。

それではブランディングしない方が良いのかというと、やはりブランディングはした方が良いと思います。
但、ブランディングの成功率を上げるには経営者が自ら主導して行動を開始する事です。自社の社員に任せたり外部に委託していては、成功率が上がりません。

その理由は簡単です。
自社が儲かって1番嬉しいのが経営者で、社員や外部の協力会社は2番目以降だからです。
社員は辞めることが出来ますし、外部の協力企業は手を引くことが出来ます。
つまりブランディングを成功させるうえで1番重要なことは、経営者の『強い思いと自らの行動力』だと思います。

簡単なところから始めてみよう

ブランディングするには、
『SWOT分析』や
『4P』や『3C』
『PDCA』に
当てはめながら、進めていくという方もいます。しかしそれは潤沢な資金があり、相当な人材確保が用意できる規模の企業であれば、それでも十分成功する可能性はあります。

しかし、そこまでの時間的な余裕や予算が見込めない企業の場合は、費用対効果が合わず(間に合わず)採算割れしてコースアウトしてしまう可能性があります。
そこで最初は『廻りで成功している同業他社の商品やサービスに自社の特徴を加えて、自社ブランドを作る。』
ところから考えてみて下さい。

その方法をいくつか御紹介させて頂きます。
例えば、人気のタピオカで考えると、

形を変えてみる

例えば、シンデレラのガラスの靴型の容器に、流行のタピオカミルクティーを入れて販売する。
そして『タピオカ・シンデレラ』とネーミングして商標登録をしてしまい、その内容をまとめてメディアにプレスリリースする。

足し算をしてみる

タピオカミルクティーに色々な栄養分を加えて、健康をアピールして販売する。
『健康食品』+『人気のタピオカ』
というイメージです。

色を変えてみる

タピオカミルクティーに着色料を加えて、オリジナルカラーにして販売する。それにインパクトのあるネーミングを付ける。

大きさを変えてみる

バケツサイズの容器にタピオカミルクティーを入れて販売する。SNSで拡散する可能性や1人で飲めるかを挑戦する人が表れるかも知れません。

素材を変えてみる

タピオカミルクティーにタピオカに似たタピオカ以外の物(食べ物)を入れて販売する。
また非常に辛いタピオカをランダムに入れて、ゲーム感覚を味わえるようにしてみる。

つまり、最初は完全な自社のオリジナル商品を考えるところから始めるのではなく、同業他社の既に成功している商品やサービスに自社の特徴を加えてみるのです。

これなら0から開発や開拓するよりも費用や時間を削減できますし、マーケーティングの費用も抑えられます。

そういった『なんちゃってブランド開発』から始めて、情報やアイデアを蓄積しながら、経験や技術を積み重ねて、『完全オリジナルブランドの確立』も目指してみては如何でしょうか?


企業のPR映像

興味の無い話は聞いてもらえない

人は興味がある映像なら何時間でも観る事ができます。(当たり前のことですが・・)

しかし
「面白いかどうか判断出来ない動画」や
「自分にとってメリットがあるかどうか分らない動画」を
何時間も観てくれる人はあまりいません。
特に強制力がない映像の場合は、観てもらえません。

まず
『観る気になるタイトル&興味を引く画像』
そして
『観ても苦にならない視聴時間』
更に
『動画を観る場所』
が必要です。

最初の90秒が重要

ちなみに動画投稿サイト等の視聴者動向調査では、動画を見始めて90秒以降に視聴を止める人が多いという統計が出ています。つまり企業PRビデオは『90秒以内にまとめる』必要があります。

流石に商品紹介ビデオは合計90秒という訳にはいきませんが、『最初のつかみ』は重要です。

つまり視聴者の興味を最初の90秒で得られないと、全部の内容を観てもらえない可能性があります。それには視聴者を飽きさせないような工夫が必要です。

例えば、最初に下記のような情報を提供します。
・問題提起して視聴者の関心度や興味を上げる。
・新しい情報やクローズドな情報を提示して興味を引く。
・お得情報(サービス・プレゼント等)を伝えて視聴者の関心を高める。

紹介する内容

続いて商品の紹介を行います。
その際に、
・なるべく具体的に紹介する。(二人以上の質疑応答形式の方が伝わりやすいです)
・覚えやすいキャッチフレーズを何度か使い、相手の記憶に残るように話す。
・視聴者のメリットになるプランや提案を盛り込んで話す。
と、相手の記憶に定着しやすくなります。

その映像の中に、
・ユーザーの生の声
・推薦者や協力者のインタビュー
・具体的な実績
等を盛り込めると、更に説得力が上がります。

他にも、想定できる「Q&A」があれば、商品紹介の際に自然な形で落とし込んでおきます。


弊社では企業PRビデオ制作や商品紹介ビデオ制作なども行っています。
是非、御気軽に御相談下さい。

ideal support

アイデアルサポートのホームページを御覧頂き有り難う御座います。

個人事業主や中小企業経営者様に向けた情報発信を行っていきます。
時間潰し程度に読んで頂けたら幸いです。